人を蔑むと自分の欠点に目が行く
人の欠点を探す思考は、自分を苦しめる。出来ないことに意識が行くからだ。入社当時の職場の同僚に自分の理想を押し付けて評価していた。相手の強みを見ていなかったのだ。その結果、自分が出来ないことに目を向けるようになった。面白い話ができない、仕事が遅い、原材料情報がすぐに覚えられないといったような弱点が気になってしょうがなかった。最終的には疎外感を感じて、社会から必要とされていないような感覚に苦しんだ。自分で自分の首を苦しめていたのだ。一年間このような状態が続いた。
しかし認知心理学を学んで自己否定の苦しみから開放された。「人間の感情は思考に連鎖する」という概念を勉強した。同一人物が全く同じ情報をもとに物事を考えた時、その時の感情によって考え方が変わってしまうという事だ。他者を見下して生まれた怒りの感情が、自分自身を見つめるときに影響してしまうのではないかと思った。そこで、人の「良い点」だけに注目するよう意識したところ、心が穏やかになりミスやできないことがあっても気分が落ち込みにくくなった。
このように、認知心理学から得た気づきをもとに他人の良いところを意識することで、私は自己否定から救われた。